マーケティングの戦略を考える上で、非常に重要なのがトレードオフという考え方です。欧米の大企業はこの発想をとても重視しており、「上質」を取るか、もしくは「手軽さ」を取るかの、経営者が決断を行っています。日本企業は良いも悪いも平均的な製品やサービスを提供する事が多いです。そのやり方は好景気の時であれば安定的な成果を得られやすいですが、それ以外の時期だと市場で評価され難くなります。
薄利多売なビジネスモデルを選ぶか、それとも一部の富裕層の需要に特化した高級路線のビジネスモデルを構築するか、経営者の方々はこの二者択一をしなければなりません。それぞれに一長一短の利点と難点があり、自社組織の風土や強みによって最適な路線は変わります。
例えば、門外不出の特許がある老舗企業であれば思い切って薄利多売のビジネスモデルはやめ、国内外の富裕層向けに最高級なアイテムを厳選して販売する経営モデルに転換した方が良いでしょう。反対に大衆的な支持を集めている、地元密着型の店舗であればコストパフォーマンスを意識した製品をより多く取り扱うようにする等、トレードオフを意識してビジネスモデルの転換を図る事が、今後一層強く求められています。